高野山のローカルバス-路線マップとバス停ごとの観光案内-

電車で高野山に行く場合、山上では「南海りんかんバス」が運営する路線バスが高野山観光の主要な交通手段になります。 このページでは、南海りんかんバスの主なバス路線やフリー乗車券・セット券についてご説明します。バス路線沿いの観光スポットや宿坊についても、バス停ごとに、詳しい地図つきでご案内します。

高野山のバス路線地図

高野山内のバス路線図

高野山・山上のバス路線は、ケーブルの高野山駅が起点です。高野山駅からは、まずはバス専用車線を通り、「女人堂」から山上の町に入っていきます。

町の中心にある「千手院橋」でルートが2つに分かれます。 西に行く「千手大門線(31系統)」だと「金堂前」や「大門」に行けます(終点は「大門南駐車場前」です)。高野山駅に到着後、すぐに観光・参拝を開始するなら、この路線に乗るのがおすすめです。「大門南駐車場前」行きのバスはおよそ1時間に1本です。 「千手大門線」の「大門南駐車場前」行きには、31系統とは別に32系統もあります。32系統は壇上伽藍南側の「金堂前」ではなく、壇上伽藍北側の「大塔口」を経由します。ただし、32系統は一日に一本程度しか運行していないため、地図にはルートや停留所を表示していません。

高野山主要部のバス路線図

東に行く「高野山内線(21系統、22系統、23系統、24系統)」は奥の院に行く場合、または東部にある宿坊や旅館などに行く場合に利用します。「奥の院前」行きのバスは、日中はそれぞれ20分~30分おきにあります。 21系統と22系統の違いは、奥の院の入り口「一の橋」の目の前にある通りを経由するかどうかです。22系統の方が一の橋に近い「奥の院口」を経由しますが、21系統も「一の橋口」という停留所を通るので、あまり気にする必要はありません。 23系統は「奥の院前」までは行かず、一の橋最寄りの「奥の院口」で折り返します。 24系統は、奥の院前の先にある「桜峠下」まで行きます。 このような違いはありますが、「高野山内線(21系統、22系統、23系統、24系統)」のどれに乗っても、高野山中心部や東部、奥の院の観光・参拝で使えます。 「高野山内線」には、これらとは別に「51系統」という路線もあります。51系統は高野山駅には行きませんが、「大門南駐車場前」から大門、金堂前、千手院橋などを通って「奥の院前」までの間を東西に往復しているので、山内の観光で利用できます。 「鶯谷線(34系統)」は、高野警察前から北東に進み中之橋霊園まで行きます。 龍神スカイラインを経由して護摩壇山に行く「高野龍神線(12系統)」、同じく龍神スカイラインを経由して荒神、立里に行く「立里線(11系統)」もありますが、これらは急行バスであり、予約制になっています。 「千手大門線」と「高野山内線」以外は、1日に1~3本ほどしか走っていません。

南海りんかんバス 高野山営業所
営業時間
バス運行時間内(午前6時台~午後8時台)
住所
和歌山県伊都郡高野町高野山105−1
TEL
0736-56-2250
公式サイト
南海りんかんバス

フリー乗車券・鉄道とのセット券

南海りんかんバスには、拝観料などが割引になる一日フリー乗車券や、鉄道・他のバス路線とのセット券があります。どういう交通手段で高野山にアクセスするか次第で、どのチケットを買うのが得かを比較してみてください。

一日フリー乗車券

一日フリー乗車券は、高野山内のバス路線が一日乗り放題になるチケット。料金は840円(子ども420円)で、ケーブルの高野山駅の駅前にある、南海りんかんバスの営業所窓口で購入できます。 他にも様々な特典がありますが、観光や参拝に関係するものは以下になります。 ○ 拝観料2割引:壇上伽藍にある根本大塔金堂、壇上伽藍の北東にある金剛峯寺 ○ 拝観料200円引(子ども100円引):壇上伽藍の南にある高野山霊宝館 他にも、お土産代や飲食の割引があります。詳しくは南海りんかんバス・一日フリー乗車券のPDFファイル(外部サイト)をご覧ください。

南海電鉄とのセット券

南海電鉄では、「高野山・世界遺産きっぷ」という鉄道とバスのセット券を販売しています。 大阪のなんばや新今宮、天下茶屋など、南海高野線をはじめとする南海電鉄の主要駅と高野山駅の往復乗車券(ケーブルを含みます)と南海りんかんバスのフリー乗車券とのセットです。 ポイントは、鉄道もバスも有効期間が2日間であることです。バスのフリー乗車券は、上の「一日フリー乗車券」ではなく「2日フリー乗車券」となるので、2日間かけて山内の見どころを回る場合におすすめです。 こちらのフリー乗車券にも、拝観料やお土産・飲食の割引サービス券がついています。 料金は乗車駅によって異なりますが、なんばから乗った場合は3080円(子ども1550円)となり、通常よりも640円ほど安くなります。 「高野山・世界遺産きっぷ」についての問い合わせ先

南海テレホンセンター
営業時間
(8:30~18:30)※年始を除く
TEL
06-6643-1005
公式サイト
南海電鉄「高野山・世界遺産きっぷ」

「女人堂」停留所

ここからは、高野山内のバス停ごとに、最寄りの観光スポットや宿坊をご案内します。見どころの名称が書かれたボタンをすると、詳しい案内のページに飛びます。

「女人堂」停留所周辺

女人堂女人禁制の時代、弘法大師に少しでも近い場所で祈りを捧げたいと願った女性たちが籠もったお堂。

「一心口」停留所

「一心口」停留所周辺

蓮華定院 真田昌幸・信繁(幸村)父子が、九度山に移る前に滞在していた宿坊寺院。
西室院 空海作と伝わる秘仏がある宿坊寺院。源頼朝と頼家、実朝の供養塔もあります。
巴陵院 奥州の相馬家や伊達家の菩提寺だった宿坊寺院で、国民宿舎でもあります。

「波切不動前」停留所

「波切不動前」停留所周辺

徳川家霊台 徳川家康・徳川秀忠の霊廟で、「西の東照宮」とも呼ばれる世界遺産。
南院 空海が自ら彫った本尊「浪切不動明王像」で有名な宿坊寺院。
金輪公園 金輪塔や影向明神、鬼子母神などがあります。

「高野警察前」停留所

「高野警察前」バス停の近くには、役場や警察署など公共施設があります。この辺りは宿坊も多く集まっています。

「高野警察前」停留所周辺

首途弁天社高野七弁天のひとつ。空海と大蛇の伝説があります。
福智院高野山最大の規模を持つ宿坊寺院。天然温泉があり、庭園も有名です。
龍泉院空海と毛利元就にゆかりの仏像が有名な寺院。
光台院快慶作の阿弥陀三尊で知られる宿坊寺院。
本覚院石庭や池泉庭など、四つの庭園がある宿坊寺院。
無量光院織田信長との関係が深い宿坊寺院。
本王院室町時代の仏像3体がある宿坊寺院。
普門院空海自筆の肖像画と小堀遠州作の庭園で知られる宿坊寺院。

「千手院橋」停留所

「千手院橋」停留所の辺りは高野山の交通の要で、バスルートもここで東西に分かれます。

「千手院橋」停留所周辺(広域)
「千手院橋」停留所周辺

蓮花院徳川家の菩提寺で、歴史的に「徳川家霊台」とも関係が深い宿坊寺院。
一乗院錦鯉の遊ぐ泉水庭園がある宿坊寺院。精進料理が好評です。
尾先弁天社高野七弁天のひとつ。一乗院の門前に遥拝所がありますが、本体は蓮花院の裏山にある「剣先弁天社」です。
普賢院空海の弟子が作り、空海が点眼した普賢菩薩像がある宿坊寺院。
高室院北条氏直が潜居した寺院で、小田原坊とも呼ばれる宿坊寺院。
安養院毛利元就ゆかりの宿坊寺院。平安時代初期に作られた重要文化財「愛染明王像」があります。
金剛三昧院高野山の鎌倉時代が分かる宿坊寺院。国宝で世界遺産の多宝塔があります。
圓山弁天社高野七弁天のひとつ。弁天さんの他に十五童子もいます。

「金剛峯寺前」停留所

「金剛峯寺前」停留所周辺

金剛峯寺高野山真言宗の総本山。豊臣家にゆかりの場所でもあります。
綱引弁天社高野七弁天のひとつ。壇上伽藍建設の歴史を伝える弁天社です。
天徳院加賀前田家ゆかりの宿坊寺院。重要文化財の庭園があります。
六時の鐘豊臣秀吉子飼いの猛将・福島正則が母のために建造した鐘楼です。
常喜院黒田長政に縁がある宿坊寺院。非常に便利な場所にあります。
赤地蔵尊常喜院の本尊。真っ赤に塗られた可愛らしい地蔵です。

以下は壇上伽藍の北東にある宿坊です。最寄りの停留所は「大塔口」ですが、ここを通るバスは非常に少ないため、「金剛峯寺前」停留所で下車して歩く前提でご案内します。

総持院肥後の細川家と関係が深い宿坊寺院。
親王院空海の弟子になった「悲劇の廃太子」真如親王が開基した宿坊寺院です。
龍光院空海が住んでいた場所とされている別格本山の寺院。多くの文化財があります。
明王院空海が創建したと伝わる宿坊寺院。後醍醐天皇の守り本尊だった「赤不動」があります。

「霊宝館前」停留所

「霊宝館前」停留所周辺
高野山霊宝館日本の仏教史上きわめて貴重な国宝・重要文化財を所蔵している博物館です。
成就院「ハンカチノキ」「なんじゃもんじゃの花」「日本しゃくなげ」などの花で知られる宿坊寺院。
釈迦文院古い庭園、藤の花、萩の花がある宿坊寺院。
高野山大師教会高野山真言宗の布教の拠点。修行体験などができます。
増福院鎌倉時代の僧侶・覚海が天狗として昇天した伝承が伝わる宿坊寺院。
勧学院鎌倉時代後期の歴史を伝える修業の道場。

「金堂前」停留所

「金堂前」停留所周辺

壇上伽藍空海の設計により曼荼羅になっている伽藍群。真言密教で最も尊いとされる聖地のひとつです。
遍照尊院空海が修行の末に不思議な体験をした「遍照ヶ岡」にある宿坊寺院。
桜池院白河法皇の皇子が開基し、後嵯峨上皇が和歌を詠むなど、「治天の君」との関わりが深い宿坊寺院。
宝亀院醍醐天皇の枕元に空海が立ったことがきっかけで開基された宿坊寺院。

「愛宕前」停留所

「愛宕前」停留所周辺

湯屋谷弁天社高野七弁天のひとつ。かつてこの辺りに共同浴場がありました。
報恩院精進料理が好評で、外国人の宿泊も多い国際的な宿坊寺院。

以下は壇上伽藍の北西にある宿坊です。最寄りの停留所は「高野山高校前」や「大塔口」ですが、ここを通るバスは非常に少ないため、「愛宕前」停留所で下車して歩く前提でご案内します。

正智院明神岩山を借景とする広い枯山水の庭園がある宿坊寺院。
宝城院後白河法皇ゆかりの宿坊寺院。夜には根本大塔のライトアップを見ることができます。
西禅院正智院と同じく、重森三玲が作庭した庭園がある宿坊寺院。

「弁天前」停留所

「弁天前」停留所周辺

祓川弁天社高野七弁天のひとつ。軍神としても信仰された八臂弁財天を祀っています。
西南院高野山の裏鬼門を守る宿坊寺院。鳥羽上皇の勅願寺でした。

「大門」停留所

「大門」停留所周辺

大門高野山の玄関口です。高野山の観光や参拝は、ここからスタートするのがおすすめです。
嶽弁天社高野七弁天の代表格。大門から女人道を30分ほど登った山頂にあります。

「大門南駐車場」停留所

千手大門線の終点です。「大門南駐車場」や「お助け地蔵前駐車場」に車を駐車して、バスで山内を観光する場合などに利用します。

「大門南駐車場」停留所周辺

「お助け地蔵尊」は、熊野で一人の老人に助けられ、この高野山に連れてこられたという伝承があるお地蔵様です。その恩返しに、みんなの願い事を一つずつ聞いてくれるそうです。

「小田原通り」停留所

ここからは、高野山内線のうち千手院橋の東側、「奥の院前」までの停留所をご案内します。 千手院橋のバス停から東に向かうルートの最初のバス停が「小田原通り」。小田原通りは高野山のメインストリートで、食事処や土産物屋が集まるグルメストリートでもあります。

「小田原通り」停留所周辺(広域)
「小田原通り」停留所周辺

西門院広い庭園があり、精進料理も好評な宿坊寺院。買い物をするのに便利な立地です。
大円院悲恋の物語を伝える「鶯の井戸」や「鶯の梅」がある宿坊寺院。

「蓮花谷」停留所

「蓮花谷」は「れんげだに」と読みます。「蓮華谷」と同じです。

「蓮花谷」停留所周辺

不動院・美福門院陵不動院は評価が高い宿坊寺院の一つ。境内には、歴史を大きく動かした「傾国の美女」美福門院の陵墓があります。
清高稲荷神社密教と稲荷信仰の深い関係が分かるパワースポットです。
持明院「八葉蓮華の前庭」で知られる宿坊寺院。「お市の方」の肖像も所蔵しています。
成福院ビルマ方面の戦没者を慰霊する六角二層の建物「摩尼塔」がある宿坊寺院。
三宝院空海の母にゆかりの宿坊寺院。重要文化財「北面大師」を所蔵しています。
遍照光院空海が創建した宿坊寺院。白河法皇の座所にもなり、国宝などの文化財を所蔵しています。
北室院伊達政宗ゆかりの供養宝物や重要文化財の「五大力菩薩」を所蔵している寺院です。

「苅萱堂前」停留所

「苅萱堂前」停留所周辺

苅萱堂浄瑠璃などで知られる「石童丸物語」の舞台です。
密厳院新義真言宗の開祖、覚鑁の住坊だった宿坊寺院。
上池院空海が初めて高野山に登った時、仮の住まいとしていた場所にある宿坊寺院。
地蔵院地蔵菩薩を本尊とする宿坊寺院。
恵光院阿字観瞑想や写経を無料で体験できる宿坊寺院。
光明院木曾義仲に殺害された皇子・円恵法親王や阿波の大名・蜂須賀家にゆかりの宿坊寺院。
大明王院大岡越前守の供養塔を管理している宿坊寺院。

「一の橋口」停留所

「一の橋口」停留所は通過しないバスもあります。その場合は「苅萱堂前」停留所「奥の院口」停留所をご利用ください。

「一の橋口」停留所周辺

熊谷寺住職による「地獄極楽絵解き話」を聞ける宿坊寺院。
赤松院広大な庭園やうぐいす張りの廊下、左甚五郎の木彫りの虎がある宿坊寺院。
清浄心院豊臣秀吉が花見を催したという「傘桜」がある宿坊寺院。
宝善院小堀遠州が作庭した高野山最古の庭園がある宿坊寺院。

「奥の院口」停留所

「奥の院口」停留所を通過せず、南側の道路を通るバスもあります。その場合は「一の橋口」停留所をご利用ください。

「奥の院口」停留所周辺

一の橋奥の院の正式な参拝ルートの入り口です。

「玉川通り」停留所

「玉川通り」停留所を通過せず、南側の道路を通るバスもあります。その場合は「一の橋口」停留所をご利用ください。

「玉川通り」停留所周辺

「奥の院前」停留所

高野山内線の終点です。奥の院へのアクセスが便利なため、食事処も多い観光の拠点になっています。

「奥の院前」停留所周辺

奥の院弘法大師御廟に直行する場合は、「奥の院口」ではなく「奥の院前」から歩く方が近いです。一の橋から奥の院を参拝した場合でも、帰りはここからバスに乗ると便利です。