矢立から大門へ(高野山町石道)
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「高野山名所図会」は、地図をメインに高野山の見どころを紹介するオンライン観光ガイドです。
このページでは、高野山の表参道、高野山町石道のうち、矢立から大門までの区間についてご案内します。
矢立(花坂)から高野山上の入り口・大門までは、急な坂を登った後に、国道に沿った尾根伝いの道を歩きます。
六地蔵
矢立茶屋の近く、59町石の左に、小さな地蔵が6体並んでいます。インドから伝わった「六道」の世界観では、死後は天道,人(にん)道,修羅道,畜生道,餓鬼道,地獄道という六種類の世界に輪廻転生すると言われます。
「六道」にはそれぞれの苦しみがありますが、地蔵菩薩は「六道能化(ろくどうのうけ)」といって、全ての世界において救済者となるとされています。
六地蔵は、1体ずつが「六道」のそれぞれの救済にあたっています。また、旅人の安全を守るともされています。
袈裟懸石
55町石の先にある石は空海が袈裟をかけたと伝えられていて、「袈裟懸石」と呼ばれています。
また、馬の鞍を掛けられそうな形をしていることから、「鞍掛石」ともいいます。
この石の下にある小さな穴潜ると長生きするとも言われます。この先は結界が張られた清浄な世界とされます。
押上石
袈裟懸石の200メートルちょっと先、52町石の近くにある、山にへばりつくような石です。
空海の母が高野山に入山しようとしてここまで来た時、炎の雨が降ってきたため、空海がこの岩を押し上げて母を庇ったという言い伝えから、「押上石」の名がつきました。その時の、空海の両手の跡も残っているとのことです。
四里石周辺
曲がりくねったきつい坂を登って行くと、40町石の手前で車道(国道480号、旧高野山道路)が現れます。ここから大門までは、この車道と並行した尾根道です。
40町石の先にある坂を登ると、ちょっとした展望台があります。
39町石から37町石までの町石は、歩道の町石道ではなく車道のほうに立っています。もともとは、車道のあるところが町石道だったのでしょう。
車道と歩道が再び接した後、36町石が今度は歩道の方に現れます。そこから少し離れた場所に、四里石があります。慈尊院から144町石、15.7キロメートルになる計算です。
その先、33町石の辺りは右側の展望が開け、大門がある方角の山並み(弁天岳など)が見えます。
鏡石から大門
鏡のようにすべすべしている鏡石も、空海にゆかりの石です。花坂の里に12本の角の生えた娘が住み、鏡を見ては泣いていました。通りがかった空海が「12人の子どもを生みなさい。一人生むごとに1本ずつ角が消えます」と教え、その通りになったといいます。
かつては人の姿を映すほどつるつるしていたのでしょう。この石の角に座って真言を唱えると、願いが成就するとも言われています。
その先、27町石を過ぎ、小さな橋を渡ると、渓流に沿った道となります。
12町石のあたりからは最後の登りで、急な階段もあります。10町石には、町石道を作った時の執権、北条時宗の名前が刻まれています。
更に登りつめると、8町石の斜め向かいに堂々たる大門がそびえ立っています。